第6回
日時:平成10年10月24日(土)午後7時
場所:歯学部附属病院第一会議室
講師:東北大学歯学部歯科保存学第二講座 小松 正志 先生(3回生)
演題名:最近の接着性コンポジットレジン修復
−その特徴・評価とBis−PhenoIA問題について−
<抄録>
コンポジットレジン修復において、ギャップ、褐線、微少漏洩、歯髄刺激、二次ウ触を減少させたり、脱落を防止するために、歯質に対し強大な接合力を得ることは極めて重要です。リン酸でのエッチングから始まった接着技法は、短期間に急速な進歩をとげ、種々 の技法、システムが開発され、簡易化が進められてきました。最近では、接着強さに影響を及ぼす各種因子を考慮した教室独自の接着強さ測定によっても、ほほ満足すべき接着強さが得られるに至っています。
今回は、まず市販されている接着性コンポジットレジンシステムの特徴を紹介し、接着強さによる評価を行います。しかし、これらの中には内分泌撹乱化学物質Bis−PhenoIA(BPA)をベースレジンの原材料として用いているコンポジットレジンも含まれています。歯科材料からBPAが溶出するとの報告や報道もなされています。この問題に対する検討や本学保存科外来での対応を紹介するとともに、良好な臨床成績を得るための注意点についてお話ししたいと思います。
<概要>
これまでに発表されてきた接着強さのデータは、使用する歯の種類・保存条件などで大きく変化し、再現性の点で問題があったようです。できるだけ条件を揃える方法を、苦心の末に作出し、接着強さの検定に用いたところ臨床的に満足できる製品が出てきたというお話がありました。最近、環境汚染問題で取り上げられる、いわゆる「環境ホルモン」は、極少量で生態系に大きな影響を与え、早期の対応が必要です。本学保存科では、これらの点からBis−PhenoIAを原材料とするBis−GMA系を含まないUDMA系のコンポジットレジン(LITEFILUA,EPIC−TMPT)を使って、それに適するボンデイング剤を使い、ほほ満足できる接着強さを得ていると報告がありました。
