第17回
日時:平成15年5月17日(土)午後7時より
場所:宮城県歯科医師会館
演題名:「口腔レンサ球菌の解糖反応の研究」
講師:東北大学大学院歯学研究科 口腔生化学分野 岩見 憙道 先生(前助教授)
<抄録>一般に疾患の効率的な予防、治療には発生機序の理解が重要である。ウ蝕、歯周病は歯垢微生物によって起こされる疾患であり、これらの疾患の予防・治療法の確立のためには疾患が起こる人体側の病的な変化を明らかにするとともに、これらの疾患に関わる歯垢微生物の生理活性や増殖の基本となる微生物の代謝を明らかにすることが必須である。著者らは歯垢内に多数生息するレンサ球菌を取り上げ、これらの菌の生活・増殖をエネルギー面で支える解糖反応への水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、フッ素、抗菌剤、代用糖などの添加によって菌体内で解糖反応がどのように影響されるのかについて、いくつかの独自に工夫した測定系を用いて研究してきた。本講演では、この分野の研究について著者らの研究を含めて紹介したい。研究が進み、口腔微生物の代謝についての理解がさらに深まり、口腔内疾患の予防、治療に役立つ日が来ることを期待したい。
講演内容:岩見先生は歯学部創設当時より、初代教授荒谷真平先生の下で研究を開始され、前教授山田正先生、現教授高橋信博先生までの長きにわたって、第一線で研究をして来られました。特に、今回の講演でまとめてお話くださった、レンサ球菌の解糖系については非常に多くの成果を残されました。それも、解糖経路のそれぞれの段階で工夫をされ、酵素反応の複雑さ、定説とされていた反応への懐疑など、冷静な立場で立証し続けて来られた結果であります。改めて、先生のお人柄と地道な研究の必要性を教えられました。内容は一言ではまとめられませんので、詳細についてはビデオをご覧になっていただきたいと思います。