第14回
日時:平成13年12月8日(土)午後7時より
場所:宮城県歯科医師会館
講師:東北大学大学院歯学研究科 顎発達・咬合形成学分野 五十嵐 薫先生(14回生)
演題名: 「口腔育成」
<抄録>: 本学予防歯科、小児歯科、矯正歯科の3科協力の基に1998年より始まった口腔育成実習(小児を対象とした新しい臨床実習)も、来年には5年目を迎えようとしています。本実習は本学独自の一口腔単位の診療理念に沿った教育システムとして機能しているだけでなく、同時に口腔育成プロジェクトとして、予防を主体とした新しい長期口腔管理・育成システムを構築することを究極の目的としています。
口腔育成という言葉は、「小児の歯・歯周組織・咬合・顎関節などの顎口腔系全体を対象に、その良好な機能と形態の生涯にわたる維持が可能となるように、予防を主体とした長期管理を行い、患者の口腔保健意識を育むことである。」と定義されています(東北大 1997年)。本セミナーでは、口腔育成の理念とその実際について症例を交えながら概説し、従来の長期咬合管理と何が違うのかをお話したいと思います。
<講演内容>抄録にもありますように、口腔育成という言葉のもつ意味とその実践について、症例交えて解説いただきました。従来の矯正治療は管理期間が長いことやウ蝕に対する予防的アプローチが不完全であったため、折角歯列が良くなってもウ蝕が発生しやすい状態でした。しかし、この3科協力の口腔育成では、ウ蝕・歯周炎、悪い咬合がない状態を目標としており、今後の実習を積み重ねることで大きな成果を挙げると期待されています。また、長期間の管理が必要になるため、患者さんの親を治療に引きつけるためのアンケートを実施し、浮かび上がってくる問題点を解決しようとしていることがうかがえました。